第13話

しかし、何しろ、その日の私は貴ちゃんと大バトルをした後。


殴られて痣と傷だらけだった。



そんなことをコロっと忘れ『あれー?村田じゃん。久しぶり~。私、花音』なんて、久々の再会にテンションが上がり能天気に挨拶をした私。



だけど、村田はそんな私を見て『え、は?花音?嘘だろ?何があった?』とクエスチョンマークだらけの反応だった。



むしろ、あたふたしていて。



いきなりマスターの許しを得たかと思うと薬局に飛んで行き、消毒グッズを抱えて戻ってきた。




そして消毒してくれて、話まで聞いてくれて、美味しい物まで作ってくれて、元気付けてくれて、家もわりと近くよ、マジで行くわ、となったのが今の関係の始まり。



その日から貴ちゃんに放り出される度、村田に愚痴を聞いて貰っている。

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