第3話

もちろん喧嘩なんかしていない。


そんな理由で外に追い出されそうになっているんじゃない。


言ってみれば、貴ちゃんの気紛れ。


その時の気分だ。



彼はいつだって自分勝手で己の気持ちが最優先。


終電間近に平気で呼び出したり、夜中に私を外に追い出したことなんて数え切れないくらいにある。



危ないとか電車がないって心配をしてくれたことは1度もない。





“でも、そこがワイルドで素敵”

“男らしくてカッコイイ”

“俺様最高!!”

“んもう、ダーリン愛してるぅ!”



と、思っていた過去の自分をぶん殴りたい。



本気でしばきたい。

完膚かんぷなきまでにぶっ飛ばしたい。

目ぇ覚ませ、バカ。

山へ武者修行に行って来い。



いっそ、今から行け。


本気で向かえよ!山の向こうへ!と思う。

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