第4話

だって、ねぇ?


本当に急用ができて追い出されるなら、まだいいよ。



ちょっと『えー』とか思ったりするかも知れないけど、別にいい。


大人しく帰るさ。



だけどね、そのスマホのラインのアイコン。



この間、家に連れ込んでた女だよね!?と問い詰めたい。




あれは、そう。


確か先月の終わり頃だったか。



貴ちゃん家の玄関のドアを開けてすぐ、視界に飛び込んできた10cmの赤いピンヒール。



私の物じゃない、貴ちゃんのサーフィン仲間のギャルがよく履いているピンヒール。



見た瞬間に思った。


あぁ、これ、家に連れ込んで速攻襲ったやつだなと。


ドアを閉めるなりキスして、脱がして、頂いたやつだなと。



見ただけで想像がつくくらい、そのヒールは玄関に乱雑に転がってた。

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