第2話

「もー、最悪……」




授業が終わり放課後。


学校横の河川敷の片隅で、私は1人寂しく呟きながら不揃いな髪を指で摘んだ。



その場にゴロっと寝転がってみれば、空は昼の終わりを告げるように橙色に染まっている。




優しい光が川の水面に降り注いで綺麗。


いかにも青春って感じ。


現実なのに現実じゃないみたい。



ホント、つい3ヶ月前までココで友達と笑いあっていたのが嘘のようだ。




あのときは楽しい場所に思えたけど、今は物悲しさしかないな。


またあんな暖かい日が訪れるんだろうか……と考えると虚しく思う。




私、久下くげココロがこうなったのも遡ること3ヶ月前。


親友だと思っていた子に裏切られたのが始まり。



いや、始まりなど最初からなかったのかも知れない。


彼女と私の間には最初から友情などなかった。



彼女が私に抱いていたのは友情じゃなく悪意。



キラキラと輝いているように見えたのは、上から塗り重ねた装飾で、剥がれた先にあったのはドドメ色をした暗いモノだった。




彼女はフレネミー。友達を装った敵。


一生の付き合いになると信じて疑わなかった親友は、仮面を外せば悲劇のヒロインに憧れてやまない化け物。



仲がいいのはただのフリで、裏じゃ悪意たっぷりに、あることないこと私の悪口を言いふらしていた。

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