第11話

「そんな風に抵抗されてもな。逆に煽ってるようにしか見えねーぞ」



「やっ…、ちょっと……」



「あー…、ってかやばい。マジで我慢できねーかも。理性ぶっ飛びそう」




変態発言をするあっくんに、げんなりする。




本気?それとも冗談?




あっくんの気持ちがわからない。




「本気で怒るよ。冗談にしたってキツすぎるから」




とにかく負けじと、あっくんをキッと睨む。



冗談の範疇なんてとっくに超えてるけど。



こんなこと……、あっくんが本気でするわけないって思いたいんだもん。



だけど、それがイケなかったのか、あっくんの顔付きがみるみると険しいモノに変わっていく。





「……冗談?脱がされて触られてんのに?」



「違う!そうじゃなくて……」



「はっ、そうかよ。だったら、もういいわ。マジでヤメてやんねー」




やばい……。



本気で怒ってるときの顔だ。




「ゴメン。本当に嫌だ、もう、ヤメ……」



「は?今さら遅ぇよ」




噛みつく勢いで肌に吸い付いてくるあっくんが怖くて……。



涙が零れた。




もう嫌だ。




「ヤメてよ……」




嫌だよ、あっくん。



ヤメてよ……。




そう強く願うのに、あっくんは。




「知るかよ」




嘆くように呟いて私の唇に自分の唇を重ねた。

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