第10話

「ちょっと待って!どうして脱がすの⁉」



「ん?いい加減わからせてやろうかと思って」



「何を…?」


  

「まぁ…、いろいろ?そういう気分だし」




驚く私にサラっと言い捨て、あっくんは乱暴な手付きで1つ、2つ、とボタンを外していく。



反射的に手首を掴めば、反抗するなとでも言うように無理やり手を引っこ抜かれ。



その手がシャツを引っ張った反動で、残りのボタンが何個か床に落ちて転がっていった。




いきなりのことに頭がフリーズ。



驚きすぎて呆然。



ただただ、目を見開くばかり。




それをどう思ったのかは知らないが、あっくんは若干面倒くさそうに自分の服を脱ぎ捨てると、流れるようにポイッと私のシャツも放り投げた。



お腹に指を這わされ、心底ビビって身をよじる。


 

怖い。



あっくんのことが好きだから余計に。



こんな無理矢理は……嫌だ。




そう願うのに口が閉じて言葉が出てこない。



金縛りにでもあっているかのよう。




バタバタと足をバタつかせて必死に抵抗したけど、抜け出せるどころかビクともしない。



ただスカートが捲れただけで終わる。

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