第4話

「もうダメ。早く離れて」




我慢出来なくなって、あっくんのシャツを握り締めて軽く睨む。




だって無理。



これ以上は心臓がもたない。



このままだと本気で息の根が止まる。




ほんと、平然とした顔で頭を撫でてきたり、抱き締めてきたり、あっくんはドキドキ大魔人だ。



堪らず俯いた私に、あっくんは意味深にほくそ笑んだ。




「わかった。じゃ、離すから今日の夜、俺ん家に来いよ」



「あっくんの家に?行って何をするの?」




ご機嫌な顔でポンッと頭を叩かれ、ついつい不審感丸出しな目を向ける。



行くのはいいけど、いったい家で何をするんだろう……。



まさか、今の続きとか?



そんなの絶対無理。



なんて怪しむ私にあっくんは呆れたように溜め息を零す。




「何を想像してるのか知らねーけど。麻雀のメンツに入れたいだけだし」



「麻雀?」



「そ。1人たりねーの。お前、出来るだろ?来いよ」




“別にいいだろ”とでも言いたげに、あっくんは平然とした顔で私の頭を撫でてくる。




麻雀か……。



って受験生が麻雀なんてしていていいのかな?




でも、まぁ、いっか。



息抜きも必要だもんね。




「いいよ」




どうせ家に居たって暇だし、あっくんからの誘いを受けることにした。

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