『緊急会議』
第80話
「マズイことになったね」
どんよりと重たい空気が漂う生徒会室。
皆が長机を囲み、その中心に座った理央が肘をつきながら暗い顔付きで溜め息を吐く。
夏休み中で学校は休みだが、不測の事態が起きたため、全員が集まり緊急会議を行うことになった。
内容は勿論、
「どうなるかな?」
「少なくとも停学は確定だね」
「相手だって悪いのに?」
「そうは言っても怪我だってさせちゃったし」
不安そうに尋ねた
ツンキーはあの日、澤田君から殴られた所為で腕の骨にヒビが入ってしまったらしい。
しかも一方的にボコボコにやってしまったものだから尚更、澤田君への処分は重くなるみたいだ。
だから今日もこの場にいない。
三日ばかり自宅謹慎で、その後は停学になる可能性が高いだろうとのことだった。
「しかも元々、素行が悪かったからね。無期停学になる可能性が高い」
「そうなると厳しいですね。出席日数もギリギリでしたし」
「そう。補習じゃ補えなくなるから」
「留年、確定ですか?」
「そうなるくらいなら転校させる、っていうのが澤田君の親からの返答」
「……校長の泣く姿が目に浮かびます」
事情を話す理央に
そうだ。個人だけの問題じゃない。
校長の野望と生徒会としての目標もこれにてジ・エンドになりかけている。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます