第76話

どうしようかな……。


そりゃ明日も補習があるし、朝になれば出られるだろう。


だけど、無理。朝までずっとトイレを我慢できるとは思えない。



それにこの時期にこれはきつい。


だって外は炎天下だぞ‼


エアコンもついてないし、今だってサウナ状態だ。


水だって食料もない。


その状況で一晩ここで過ごすのはちょっと無理。


本気で困る。



「はぁ…」



溜め息を吐き、何か良い策はないかとカーテンの方を見る。



準備室の中には他の教室と同様、窓はあった。


しかし、ここは3階だ。


足場もないし、飛ぶには高い。


自力で降りるのは厳しいだろう。



そりゃいざとなったら、そうするしか道はないけど、骨折したら適わないし、なるべく避けたい。



それよりも積み重なった教材が邪魔だ。


道を塞ぐ勢いで大量に積み重なっている。 


ある意味、山。


しかし、辿り着くにはまずこれらを動かさなきゃいけない。


このサウナ状態の中。



「罰ゲームか!」



独り不満を爆発させながら、とにかく風を求めて教材を動かしていく。



その最中も吹き出す汗。


暑い。


暑い、暑い、暑い。


何だかちょっと気分が悪くなってきた。


それでも必死に物を除けて窓を掘り出し、鍵を開ける。

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