第73話
澤田君がバラした所為で大好きな
あの日からずっと恐ろしい形相で澤田君を睨んでいる。
しかも髪型が変。
いや、元から変だが今日は特におかしい。
だって、いつもの静電気ヘアーじゃない。
真っ直ぐ下ろしてある。
あれだけネタにされても変えようとしなかったのに、いったい、どういう心境の変化があったんだろう……。
もしかして香織ちゃんに失恋をしたから?
それともただのイメチェン?
その辺、少しだけ気になる。
しかし、下ろしていようが彼の髪型の特徴は同じ。
真っ直ぐ過ぎてツンツンだ。
ストパーを掛けたあと、さらにヘアアイロンで真っ直ぐ伸ばしました!って感じの髪型になっている。
「ツンツンなのは変わらないんですね」
「そこまで真っ直ぐにしたがる意味がわかんねぇ」
「そこはもう拘りみたいなものでもあるんじゃないですか?」
「キッチリやらないと気がすまねぇってか」
先生が黙々と黒板に字を書いている最中、隣の席の澤田君とコソコソ話す。
確かにある意味、キッチリ、徹底的。
香織ちゃんとの件に関してはボロが出まくりだったけど。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます