第70話
「初めまして!生徒会、庶務の松戸菜々です。香織ちゃんって呼んでもいいですか?」
「はい!是非っ」
「澤田君の妹で合ってます?」
「そうです。よろしくお願いしますっ」
ペコッと大きく頭を下げ、香織ちゃんは私達に向かって「いつも兄がお世話になってます!」と元気に挨拶をしてきた。
中学生くらいかなー。
愛嬌があって可愛くて良い子そうだ。
釣られるように理央たちも自己紹介をする。
「香織が寄り道なんて珍しいなー。何かあった?」
「えー?お兄ちゃんにしつこく喧嘩を売りにくる人がいるって言ってたから。一度、見てみようと思って」
「あぁ、それでか」
「私ね、そいつを見つけたら一言、文句を言ってやるの」
えいっ!なんて空手の形を綺麗に決める香織ちゃん。
聞けば長年空手をやっていて相当強いらしい。
だからこそ、澤田君に嫌がらせをするツンキーに一言文句を言おうと松之木学園へ訪れたそうだった。
当の犯人はその様をダラダラと冷や汗を流しながら見つめている。
思わず笑顔になってしまったが悪意はない。
笑いが止まらないだけ。
「それで⁉その人はドコにいるの?」
「ドコって……」
澤田君が物言いたげな顔でツンキーに視線を送る。
犯行をバラされそうになったツンキーは暗く俯き喉をゴクリと鳴らした。
そんなツンキーを不思議そうに見つめる香織ちゃん。
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