第64話
あの後、校長から言い渡されたツンキーへの罰は『停学一週間』だった。
校長室から鍵を盗み、ピーコを連れ去って飼育小屋に閉じ込めるという大罪を犯した割には罰が甘い。
自分にも非があっただけに責めきれなかったのかも知れないが、やられたこちら側としては不服。
これじゃまた懲りずに同じことをやりそうだし。
そうなったら次こそ澤田君がキレそうで心配だ。
あの日、去っていくツンキーを見る彼の目だってかなり怖かったから。
言わないだけで溜まっているものが結構あるんじゃないかと思う。
まぁ、言うている間に夏休みも挟むし、お互いクールダウンしてくれればいいんだけど。
こればっかりはツンキーの気まぐれによる。
「平和もこれにて終了ですね」
「明けたらまた何か仕掛けてくるかな?」
「諦めが悪そうだからね。来ると思う」
“コンコンコン”とペンで机を叩きながら考え込んでいた私の向かいで、雄大と颯と理央がツンキーの登場予告をする。
明けて直ぐに突撃してくるやら、やることがエスカレートしそうやら、出てくる予想は結構暗めのものだ。
平和に生きたい皆としては出来ることなら来ないで欲しいというのが本音だろう。
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