第63話

「絶対にヤメてよ。菜々」


「そうだよ。さすがに全国ニュースに載るのは困るから」


「僕、嫌だからね?同じ生徒会のメンバーとして一言!なんて、そんなインタビューなんか受けたくないし」


「そうですよ。仕返しをするならもっと別の、違う方法を一緒に考えましょう」



鈴花すずか理央りおはやて雄大ゆうだいまで私を囲んで真顔で諭してくる。


慶彦よしひこまで「ニュース沙汰になるようなことだけはヤメよう」って、ただの冗談なのに。


理解しているのは議事録を書いている小春こはるとピーコだけ。



いや、笑顔で頷いているってことはツンキーを成敗することに賛成しているのかも知れない。




「いやいや、本気ではしませんよ」


「絶対だぞ」


「念を押さなくたって絶対にしません」


「お前は本気でしそうで怖い」


「いったい私にどんなイメージを持っているんですか」




しかと言質げんちまで取ってくる澤田君に苦々しい笑みを零す。


確かにツンキーに対しては腹が立っているけど、さすがに物事の善悪くらいはちゃんとつくし。



そこまで真剣に心配をされるのも複雑だ。


危険人物だと思われているみたいで。



「まぁ、腹が立つのはわかるけどね〜。思っていたより処分が甘かったし」


「そうだね。せめて3週間は反省して欲しかったな」


「1週間って。校長も甘いというか」


「あの人は結構緩いところがあるから」


「勉強に関しては厳しいのにね〜」




皆、思い出したようにツンキーの処分について呟く。

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