第61話
「澤田君〜。怒らないでよ」
「お前らな……」
「それよりも!僕、疑問なんだけど。原谷君はどうやってピーコを連れ出したの〜?」
怒る澤田君を宥めつつ、颯が目をパチクリと瞬かせながら、あどけない顔でツンキーに尋ねる。
純粋な子供のような眼差しだ。
水族館で泳いでいる魚の名前でも教えて貰うような。
「そんなんチョチョイと鍵を盗んで鳩を隠し持っていけば直ぐだ」
「へぇー。凄い。生徒会室の鍵とか盗るの難しくなかった?」
「全然。情報通の俺の手に掛かれば校長室に忍び込むことくらい余裕よ」
「えー⁉ってことは誰にも見つからずに持ち出せたってこと?凄い」
「まぁな。あのババア、時々鍵を開けっぱで出ていくから。その隙をついて中に入ってさ」
天使のような悪魔に誘導尋問され、ツンキーは自分の犯行をペラペラと喋っていく。
得意げに話してますけど、あなた。その会話、全て理央に録音されてますよ。
「オッケー?理央。ちゃんと録音できた?」
「バッチリだよ」
証拠を収めてにこやかに笑う颯と理央。
ツンキーがしまったって顔をしたけど、もう遅い。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます