第54話
「あ、2人とも。ちょうどいいところにいた。少し手伝ってくれない?」
両手に大量のプリントを抱えた
隣に居た澤田君がふらりと近寄って理央の荷物を半分持つ。
それをさらに半分持ち、歩きながらプリントに目を通すと体育祭らしいイラストが描かれてあった。
きっと体育祭に向けて集った旗や看板のデザインが返ってきたのだろう。
どのイラストを候補としてあげるか意見を聞こうと思っているに違いない。
「うまいですね、皆」
「あぁ」
「澤田君はどんな絵にしました?」
「俺は描いてないし、出してねー」
「ヤル気なっしーですね」
「そういう菜々は絶対ピーコの絵を描いただろ」
「もちろん。ピーコは私の唯一無二ですからね」
ぴたりと正解を言い当ててきた澤田君に笑顔で自分が描いたイラストを見せる。
プリントの中に収められているのは空を羽ばたくピーコの絵だ。
ピーコの愛らしさがよく出ていて我ながら良い出来ではある。
まぁ、まだどれが選ばれるかはわからないけど。今から結果が楽しみだ。
私が描いたピーコの絵が空に羽ばたくかも知れないと思ったら胸が熱い。
きっと忘れられない。
それを見たピーコが自由奔放に空へ羽ばたいて行かないか少し心配ではあるけども。
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