第43話

「は?」



いきなり絡まれて暫し呆然。


それが気に入らなかったのかツンキーは「ナメとんか、ゴラァ」と、眉を寄せてギャーギャーと騒ぐ。



こういう場面でヤンキーが他人におでこを擦り付けてくるのは、いったいどうしてなんだろう?



永遠の謎。



もしかして牛への憧れ?


くぅぅー!闘牛、強ぇぇ!かっけぇー!俺も真似しよ!みたいな?



『あん?ゴラ、あん?ゴラ』煩いのも不思議だ。



首を上下に振る動きなんてまるでミステリー。




そう思ったら同じヤンキーでも澤田君は違う。


独特の色があると言うか彼にしか出せない味がある。


すごむにしたってもうちょっとカッコイイし。



いや、それよりもだ。


澤田君に用があるなら直接会いに行けばいいのに、なぜ私を同伴させたがる?




まさかアポ無しじゃ失礼にあたると思ってたりする?


自分みたいな半端もんはまだ澤田さんには直接会いに行けないんスよ、って?


そんなバカな。



私は澤田君の秘書じゃないんだけど。

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