ガタイが良く高身長、力も強くて武道は一流、熱血で厳しい、昔ながらの先生って感じの内山先生。

不良たちから『親より警察よりゴリ山に見つかる方が嫌』と恐れられている彼のことだ。

外のファンクラブの人たちのことも徹底的に生徒指導室で詰めてくれるだろう。

「あ、ちょ、怒らないでくださいって」

「うるせぇっっ!!来いぃぃぃ」

「痛たたた！耳はヤメてくださいっ！」

慈悲（じひ）を請（こ）う不良達の声がゴリ山の怒鳴り声と一緒に遠ざかっていく。

あぁ……。愛でる会の人たち。

憐（あわ）れな末路（まつろ）よ。

「ほら、やっぱりこういうときは内山先生に頼むに限るでしょ」

それと同時に電子錠が解除され、外にいた颯（はやて）が生徒会室に入ってきた。

腰に手を当てて『えっへん！』なんて台詞が入りそうなポーズを取っている。

「さすが颯。正義は勝つだね」

悪い笑顔を浮かべている颯に釣られるように、鈴花も悪代官みたいな笑みを顔に描く。

２人で顔を見合わせながら笑っちゃって、きっと今回の戦犯は彼らに違いない。

それも颯のことだから２度と生徒会室に近づかないように上手く頼んでいそうだ。

「お前ら、ゴリ山を使うのは狡いだろ……」

皆が訪れた平和に嬉々としている中、ゴリ山の熱血指導の恐ろしさを知っている澤田君は、ただ１人引き攣った顔を浮かべたのだった。

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。（ログインが必要です）

新規登録で充実の読書を

マイページ: 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる; 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める; フォローしたユーザーの活動を追える
通知: 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴: 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい