第37話

「あれ?違いました?」


「違う!お前のアホなテストの答えをもっと見たいって理由だっただろ」


「あぁ、そう言えばそうでしたね」



忘れてた~と笑う私に澤田君は脱力したようにガックリと肩を落とす。


その場にしゃがみ込んで、頭をガシガシと掻いて、本当に疲れたって顔だ。



そんな私達のやり取りを見ていた男子が「ぷはっ」と小さく吹き出した。


その声を皮切りに他の生徒もゲラゲラと笑い始める。



「澤田が人に勉強を教えてるのか」


「しかも報酬がマジックって」


「だから授業に出てたのな」


「おかしいと思った」



口々に意見を述べながら笑う3組の生徒たち。


どうやらバチクソヤンキーな澤田君が他人に勉強を教えている、って事実が面白いらしい。


しかも、その報酬がマジックだし。



中には事実を疑う生徒もいたが「実は彼、頭が良いんですよ」と、澤田君の参考書みたいなノートを見せたら「すげぇ」と、素直に感心していた。



持ち主の澤田君には「勝手に見せるな」と怒られたけど。

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