第22話
「別に良くない?選挙もしないで入れるなんて異例中の異例、お得だよ?」
「黙れ。誰がそんな面倒くせぇもんに入るかよ」
「えー。なんで?入ってくれないと僕達、困るんだけど~」
「知らねーし。勝手に困ってろ」
「そう言わずさぁ、入ってよ。じゃなきゃ行事までしょぼくなっちゃうし」
天使の仮面を被った悪魔が言ってはいけない発言を鬼に放ちまくる。
危機を感じた雄大から助けて欲しいって顔をされたが、首を横に振って苦笑い。
無茶を言うな。この状況を乗り超えるスキルは生憎、持ち合わせていない。
それこそ理央くらいしか。
「どういうことだよ?」
「あ、うん。単刀直入に言うとね、僕達は君に生徒会のメンバーに入って欲しいと思ってる」
「校長に頼まれたから?」
「そうじゃない。もちろんそれもあるけど、1番の理由は菜々の頭の悪さを見兼ねたからだよ」
「……菜々の?」
「そう。校長にも次の期末テストで平均80点以上を取れるようにしろ、じゃなきゃ学校の行事に力を入れてやらないぞって脅されててさ」
存在しない話をさも事実ように理央は困ったような笑顔で澤田君に話す。
いきなり理由として抜擢されてしまった私はそりゃビックリ。
『何ですとー⁉』と、驚きいっぱいの顔で理央と澤田君を二度見してしまう。
そんな事実、あり得ない。
100パーセント噓だ。
そもそも中間テストの結果がオール赤点だった私が80点以上なんて無理。不可能。
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