第18話

「……やば。19点って」


「でしょ。やばいんですよ。本当」



ドン引きする澤田君にヘラヘラと締まりのない顔を向ける。


何を隠そうこのヤンキー、見た目とは違って頭の作りはメチャクチャ優秀。


テストをさせれば全教科95点以上。


元々勉強は嫌いじゃないんだろう。

 

我が校で1番と言えるほど頭がいい。



ついでに言うと私はいかにも勉強できそうな見た目をしているが、実際のところはメチャクチャ頭が悪い。


あまりの悪さに小学生の弟が憐れんで『ギャップ萌えだね。姉ちゃん』といつもフォローを入れてくれる。



「何だよ、活気時代って。ここの答えは石器時代だろ」


「はは……。何となくニュアンスで」


「こっちはセクハラの戦い?関ヶ原の戦いか?」


「はい。恐らく」


「フランシスコをフラスコと間違えるのは、まだわかる。でもさすがにエビウルはないだろ。ザビエルだから。こいつエビを売り歩いたりしてねぇから」


「はぁ…」



ボロボロの私のテスト内容にビシバシとツッコミを入れていく澤田君。


クスクスと肩を震わせて何だか予想していた以上にウケている。


ラッキーなのかショックなのか自分でもわからない。

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