第7話

「もー、わかったわよ!だったら、あなた達が望んでいた【恋愛禁止】の校則を廃止。それでどう?」


「交換条件ですか?」


「えぇ。この件を引き受けてくれたら今すぐ廃止にしてもいいわ」



どう?と、校長は緊張した面持ちで鼻を膨らませる。


校長が言う【恋愛禁止】の校則とは【学園に在席している間、恋愛による交際を一切禁ずる。違反をした生徒は一週間の停学に処す】と記された松之木学園の悪しき校則だ。


元々、カトリック系の女子高だった名残なごりで創立以来ずっと続いてきた。



生徒会室前に設置された【ご意見BOX】の中にも『今どき恋愛禁止だなんて考えが古い』と、廃止を求める声が毎週のように寄せられている。



それこそ私たちだけじゃなく歴代の生徒会メンバー全員が、長きに渡って戦い続けてきた目標だ。


それを達成したなんてことになれば祝福の声が続々。


我が生徒会執行部のメンバーの名前は後世まで英雄として語り継がれるだろう。



それに会長の理央にとっては渡りに船。


彼は生徒会メンバーの一人、若葉わかば小春こはるに恋愛感情を抱いているから。


きっと誰よりも廃止を望んでいるし、今だって感情が隠しきれずに目を見開いている。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る