第6話

まぁ、とにかく以上の点から考えてわかるのは、真面目が売りの私たちと澤田君は間違いなく合わないってことだ。


それこそ全くもって無縁のタイプ。


それをただの一生徒にすぎない私たちに世話どころか勧誘まで押し付けるとは、この校長も真面目な顔をしてぶっとんでいる。


それも何だかんだ手を貸して欲しいとか仲間に入れてあげて欲しいとか綺麗事を並べて誤魔化しているけど、要は悪さをしないように見張っておいて欲しいってことでしょう?



私達は秘密結社でもSPでもしてやエージェントでもないのだが⁉


確かに澤田君と教師の仲はそれこそ生徒同士よりも悪いし、教員や校長らが指導したところで逆効果だけども。


一つ間違えれば退学騒ぎになるのは目に見えているし。




「ごめんなさい。僕たち、他にもやらなきゃいけない業務があるんで〜」


「ちょっと待って。そう決断を早まらないで」


「校長……。早かろうが遅かろうが答えは一緒だと思いますよ」



話を終わらせたがる颯と理央に向かって校長はあたふたと焦り出す。


立ち上がって身振り手振り、気が荒ぶった馬でも落ち着かせるようなポーズを取りながら場を鎮めている。

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