第4話
「校長。必死ですね」
「そりゃそうよ。澤田君の親御さんからも“しっかり指導して欲しい”って頼まれたんだもの」
「なるほど。その要望を叶えるのを条件に彼の親御さんから多額の寄付金を頂いた、ってとこですかね」
ズバリと真相を言い当てたのは広報の
校長はわかりやすいくらいギクリと肩を揺らす。
何と言っても慶彦自身も大企業の息子。将来がきっちりと補償された御曹司である。
他のメンバーは「寄付金?何それ?」って感じだけど、慶彦はその辺の事情について詳しい。
男のわりには長い髪をサッと手で払うと「澤田君家の財力はバカにできないからなぁ」と、無駄に高い鼻をツンと上げて笑った。
慶彦いわく澤田君は我が校、随一の寄付金を収める財閥の坊ちゃんで、学校の運営の一端を任されている校長としては貴重な収入源を失いたくないと必死なのだろうってことだった。
校長は隠したがっているが、こうなってしまったら最後。
話は全て筒抜けだ。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます