第83話
「どうした?」
「あの、友達が帰って来てるみたいなのでここまででいいです」
「……そうか」
立ち止まった彼の前に立ち、その骨ばった大きくて綺麗な手を両手で包み込む。
返り血が私の手にもちょこっと付いてしまったけど、そんなことはこの際どうだっていい。
「送って頂きありがとうございました」
「あぁ」
「今度改めてお礼がしたいのでお時間がある時に連絡して頂けますか?」
丁寧にお礼を述べつつも、ちゃっかり自分の電話番号を書いた紙を彼に握らせる私。
自分でも笑える。
どうやら心の中の協議はエミちゃんが勝ってしまったらしい。
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