第75話

でも、それじゃ困るの。


何も無かったら逆に困る。


その敵を知る為に必死になってるんだから。




「ふーん。それって逆に言えば、普通に過ごしてなきゃ何かあるってことですよね?」


「……何が言いてぇんだ?」


「別に。わざわざ紹介して貰わなくても、妹だと言い触らして目立つことをやってれば、友達もその敵とやらも向こうから勝手に来てくれるんだな、って」




可愛げが無いのは分かってるが止まらない。


わざわざ忠告されるくらいだもの。


ただただ光が見えた気がした。


普通じゃなければいいんだ、と。



でも、先輩は気に食わなさそうな視線を私に向ける。

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