第62話
喧騒とエンジン音で喧しいのに、よく通るその声は私の耳にしっかりと聞こえた。
カンの鋭い女め。そう心の中で悪態をつく。
母、美枝子46歳。
黒髪、夜会巻き、痩せ型、つり目。
趣味、お琴。
特技、私を捕まえること……。
美枝子の怒り狂ったブチ切れ顔が目に浮かぶ。
そうだ。話す話さないで悩んでる暇はない。
とにかく今は捕まるわけにはいかないんだ。
今日逃げ切ったところで問題を先延ばしにするだけ、と分かっているけども。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます