第61話

「おい、聞いてんのかぁ?」


「あ、はい」


「さっさ答えろや」


「えっと……ちょっと」




周りのヤンキーさんに凄まれ、思わず言葉を濁す。



話してみたいと興味津々になる悪い子な私。


と、関わってはいけないと良い子振る私。



正反対な心の中の妖精さんが、この後の展開を協議し出す。




『ダメよ。今すぐ逃げましょう』と言う良い子なチエちゃん。


『いやいや、チャンスだし。どうせなら番号交換くらいしとけって』と騒ぐ悪い子なエミちゃん。



激しく討論する2人を黙らせたのは言うまでもなく。






「チエミー!」



悪の化身、もといお母さんの声。

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