第36話

もう大丈夫かな……。



30分くらい走り続けて隣町に行き、大通りから民家が密集する路地に入った。


乱れた呼吸を整え、着物の裾や襟元をささっと直し、民家の壁際からこっそり顔を出して様子を窺う。




目の前には同じような民家と寂れた公園がポツンとあるだけ。


当たり前だけど夜の公園は閑散としていて人の姿は全くない。




多分、大丈夫そう……。



ほっと胸を撫で下ろし、路地を抜けて歩きだす。

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