第22話

ちょうど婚活中だし。


大体この人に言われるがままに、お見合い話を受けたお父さんもお父さんだ。


私の相手より先にお姉ちゃんの相手を見つけてあげればいいのに。




「いえ、僕はチエミさんがいいんで」


「あ、そう。ロリコンなんですね」


「心外だな。僕はチエミさんの年齢や見た目ではなく心に惹かれてるんですよ」


「そりゃ、どうも」




空いたグラスをウェイターに渡し、調子のいいことを言う中村さんをじっと見つめ返す。



嘘つき。


あなたが本当に欲しいのは私じゃないでしょう…?




でも、まぁいい。


その方が私にとっても都合がいい。



それに私にはこの人が必要だ。


この人が私を必要であるように。

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