第17話

煌めく世界の片隅で、初老のピアニストが繊細な指使いでグランドピアノを操り、ショパンの曲を奏でる。



【華麗なる大円舞曲】



明るく軽快な曲調が会場の雰囲気に合ってる、と思った。




「豊子先生〜」


「あら、あなたたち」




数百人が各々好きに歓談をする中、会場の中央で若草色の色留袖に身を包んだ豊子先生がお弟子さんに囲まれ上品に微笑む。



その中にお母さんとお姉ちゃんも居た。



お母さんがベージュ、お姉ちゃんは藤色の牡丹や椿の柄が入った訪問着を着てる。

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