第78話

そのまま同じくサクラに引っ張られるようにして立ち上がり、料理が並ぶ一角に足を進めると、望都と茉依さんが仲良さげに話してるのが見えた。



ご飯を食べてる望都にお冷の入ったコップを渡す茉依さん。


望都は私に見せる猟奇的な顔じゃなく、普通の男子高校生らしい顔で茉依さんに接してる。



昔と同じ。


まだ切れてなかったんだ。


あの2人の関係。




「あ、そうだ、チエミ殿」




望都達から目を逸らし、料理を取ろうとした瞬間、ノンちゃんが隣に来て私を呼んだ。


ひそひそ話をするつもりなのか、若干声のトーンを落としてる。




「どうしたの?」


「実はな、この間リバティーの連中と他のチームとの間でちょっとした騒動があったらしいぞ」


「……騒動?」


「隣県で幅を利かせてるチームが暴走中に奇襲を掛けてきたんだと」




特種とくだねを仕入れたと言いたげにテンション高く話し始めたノンちゃんの顔をマジマジと見る。

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