第79話
暴走中って…。いつだろう?
話の内容より、起こった時期に気を取られる。
先輩との関係がハッキリした日から、毎日電話をしてるけど、そんな暴れ回ってる素振りはなかった。
それに習い事の帰りだったり、家の近所だったり、学校だったり、ほんの数十分だけど、先輩は約束通りひょっこり顔を見せに来る。
軽く話して、私の頭を撫でて、最後に新しい痕を付けて『またな』とキスして帰っていく。
それが帰る合図であるかのように。
帰る度に寂しいと感じてたけど、忙しい中、来てくれてたんだな…と思うと申し訳なく思う。
我が儘なお願いをしてしまった。
「それって結果はどうなったの?」
「無論、即刻、返り討ちにしてやったみたいだ」
「そっか」
「あぁ」
自分の事のように誇らしげに話すノンちゃんに笑みを向ける。
先輩が何をやってるか、自分は“何も知らない”って事実を寂しく感じた気持ちに蓋をするように。
問題が無さそうなら、それでいい。
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