第65話
「なぁ…、付けていい?」
「何を?」
「痕」
「え?」
「
そう言って首筋に唇を押し付けられ、心臓がドキっと跳ね上がる。
痕…、キスマーク?
どうして?と思う。
でも、その声が本当にお願いするような声だったから頷いてしまった。
それと同時に這わすようにペロリと舐められ、肌を吸われる感触にゾクっとする。
少し擽ったい。
思わずぎゅっと抱き着いたら先輩は満足そうに小さく笑った。
付けられたのは項の少し手前。
髪を上げないと見えにくい場所。
それでも他人から見て分かる印を付けられて胸が擽られるような感情が押し寄せた。
ずっと心を支配してきた痛みを拭い去るように。
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