第45話
お兄ちゃんはよく私に言ってた。
『俺はお前が思ってるような良い兄貴じゃねーよ。自分の欲の為に他人を利用しまくってる』って。
お兄ちゃんなりに自分の行いを悪いと反省してる部分があったのかも知れない。
悔いるような気持ちで。
だけど、私はいつも『そんなことないよ』って返してた。
否定してたと言うより肯定。
良いお兄ちゃんだと思ってたけど、良いお兄ちゃんだとは思ってなかった。
優しいけど、優しくない。
甘いけど、甘くない。
泣かせないけど、泣かす。
悪いところも全部知ってて分かってて好きだと言いたかった。
だって、お兄ちゃんは本当に勝手だった。
自分勝手な事をいつもいつも私に言ってた。
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