第44話

「はぁー」



重く息を吐き出し、壁一面に広がったガラスの窓から外を見下ろす。



目に映る景色は家に入る前に廊下で見たモノとほぼ同じ。


先ほどより明るく、藍色になった空に都会の光が散りばめられ、空に瞬く星のようだ。



世界の一部分しか見えてないのに広く感じる。



探せば、何処かにお兄ちゃんが居そう。


むしろ、この何処かにお兄ちゃんが居ればいいのに。



5秒でいいから出てきて欲しい。




また、願ったって叶わない願いをしてしまう。

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