第34話

「何か嫌なんで…、お風呂借りてもいいですか?」


「別に構わねぇよ。俺も入りてぇし」


「ありがとうございます」




散々、考えてる事がバレバレだと言われた後だ。


疑われるかもと思ったが、先輩はそれ以上追求する事なく、私を洗面所まで連れて行くとドアを開けた。


ちょっと意地悪な顔をして。





「一緒に入る?」


「入りたいんですか?」


「頷いたら入ってくれんの?」


「そうですね…。またの機会に検討します」


「微妙に期待の出来ねぇ断り方すんなよ」


「先輩が答えの分かりきった質問をするからじゃないですか」



苦笑いを浮かべる先輩に苦笑いを返す。


本気で入りたいとは思っていないくせに、意地悪な人だ。


いや、本気で言われても困るけど。

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