第12話

「そんなに似てます?」


「おう。加賀さん家の犬を人間化させたら間違いなくお前だ」


「えー」


「顔はさて置き、態度や仕草とか。ましてて生意気で偉そうで我が儘で愛想悪いとこなんてソックリ」


「いや、ボロカス言うじゃないですか」


「あーん?だって、これで俺にギャンギャン吠えて噛み付いてきたら、まんまあの犬だぞ」


「…はぁ」


「あー、あと飼い主にしか尻尾振らなさそうなとこな」




熱心に“似てる”と力説されてるが何だか複雑だ。


犬に似てるから構われてる気がして。 


いや、逆に似ててラッキーだったのかも知れない。


じゃなきゃ、今の私と先輩の関係は少し違ってただろう。



多分。

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