第9話

「ふふーん。絶対に秘密にするってことで俺だけ特別に教えて貰ったんだ。仲良くしろってさ」


「誰にも言わないで下さいよ」


「分かってるって。心配すんなぁ。口止めされた話は絶対言わねぇから」




ドンっと胸を叩き「任せろ」と阿部さんは誇らしげな顔で言う。



キリッとした目付きが重大任務を任された隊長のようだ。


若しくは小熊に鮭を取ってきてと強請れた母熊。



あー、でも、何だか不安だ。


皆の前でポロッと言っちゃいそうなんだもの。



それとも先輩が自ら話したくらいだから余程信用における人なんだろうか。


現に今もこのマンションに2人で居るし。

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