第77話
「色々言ってくれてありがとね」
「もう!お礼なんて。私は事実を述べただけなのに」
「ん、でも、あんな風に庇って貰うのは初めてだったから嬉しくて」
「そんなのこれからは幾らでも。私は桑子さんラブなんですから」
至極当たり前のように言われ、気持ちがスッと軽くなる。
自分を好きだと言ってくれる人。
彼女の存在がどれほど私の中で大きいか、どれほど支えになってるか、今城さん本人はきっと知らないだろう。
伊那君にしろ、今城さんにしろ、味方が誰か1人でも居てくれるだけで、こんなにも心強くて暖かく感じるものなのかと、この歳にして初めて知った。
自分は自分だと桑子は桑子なのだと認めてくれる人が居るだけで、そのままの自分を大切に思ってくれる人が居るだけで、心の中の真っ黒な感情が浄化されていく。
淡く穏やかに人生が色付いていくようだ。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます