第63話

「仲良いね」


「あ、伊那君」



今城さんと喋ってる最中、伊那君に声を掛けられて振り返る。



あれから2週間経った今。


私と伊那君は飽きることなく毎日晩御飯を一緒に食べている。



お陰で親密度がじわじわと上がり、ついには伊那君の家にまでお呼ばれされるようになった。



まぁ、行っても一緒に食事をするだけでラブな展開は全く無い。


ただ交互に料理を振る舞い合って喋るだけ。




【料理を作る】

【食事を楽しむ】←

【帰る】



の3択のみ。


恋愛要素は皆無。



勿論、食事だけでも楽しい、全然楽しいけど…。


おいおい、このゲーム恋愛イベントは無いのか?難易度高すぎでしょ。と少しだけ思う。



安久谷桑子あくやくわこ、25歳。


少しだけ明るくなった悪役ライフを楽しんでます。

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