3
第61話
★
「桑子さん、出来ました!確認お願いします」
今城さんが満面の笑みで出来上がった書類を私に差し出す。
今城さんが入社して2週間。
お昼休みも後少しって時間帯。
どうやら社会勉強の一環としてこの会社にやって来たらしい彼女は、今日もお嬢様オーラ全開で私を見つめながら少女漫画の主人公の如く目を輝かせている。
まるで恋でもしているような熱烈な視線。
何処に行くにしたって四六時中ベッタリ。
トイレにまで「御供します!」と付いてくる徹底ぶり。
すっかり私に懐いてしまった。
今だって受け取った書類にオッケーを出した私に“褒めて褒めて”と言わんばかりに纏わり付いてくる。
そこまで懐かれて鬱陶しくないのかって全然。
普通に嬉しい。
可愛くってしょうがない。
こんな風に好意を寄せられるのなんて初めてなんだもの。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます