第45話

「正直、討ち取りに行きたい。いい加減、腹立つし」


「なんなら俺から止めるように言ってあげようか?」


「いや、いいよ。伊那君に頼んだら負けた気がする」


「なんで?俺が味方したって別に負けじゃないじゃん。一対多数なんだから」


「まぁ、そうだけど…」




そうだけど!伊那君が言ったら皆が100%黙るのは分かってるけど!


それじゃ根本的な解決にはならない。



自分で言って、話し合って、相手の話を聞いて、お互い納得して解決する。


それが1番望ましい。


理想だ。



皆、話せばちゃんと分かってくれるんだよね。


誤解なら誤解、腹が立ってたら仲直り、と。


そこからは普通の日常、普通の関係になる。



ただ話す機会が極端に少ない。



揉め事が起きた瞬間、話すら聞いて貰えなくなる。いつもいつも。


あっち行け状態。



小さい事から大きい事、誤解な事まで私の話はあまり聞いて貰えない。


周りは大体相手の話にだけ耳を貸す。



そして、何も言えないまま、話し合いもないまま、ボロカス言われたり、嫌がらせされたりして『桑子は悪』で話が終わる。

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