第37話

ほんと揉めた当人より揉めた相手の周りが騒ぐ、この世の現状そのまま。


無関係な人間が当事者のように騒ぎ、ずる賢いやつが泣き面で味方を呼び集め“可哀想な私”を演じて攻撃を煽る。



当人同士で解決する気なんて全くない。


あったら最初から止めてる。



現に萌だって皆の前では悲劇のヒロインぶってるけど、嫌がらせされてる私を見て楽しそうだ。



『会社辞めればいいのに』とか『萌ちゃんイジメんなよ。ムカつく』とか言ってる他の社員と一緒になって『やだ怖い~。先輩たち強い~』ってクスクス笑ってる。




囲まれてキーキーと。


ボス猿と子分か。


隕石を落としてやりたい。




本当に怒っててやってるなら、本当に傷付いてやってるなら、まだ許せる。


感情が抑えきれなくてやるならまだいいよ。


それはただの喧嘩だから。



だけど、それを楽しんでしまったら、それはもうただの嫌がらせであり悪意だ。



どれだけ言い訳を並べたって無駄。


『私は悪くない。あいつが悪い』なんて台詞は喧嘩の時にしか通用しない。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る