第36話

そこまでされてしんどくないのか?って正直しんどいよ。


いちいち落ち込んでたら相手の思う壷だと無視しているが悲しいものは悲しい。


私にだって心はある。


平気な顔をしてるから傷付いていない訳じゃない。




「見た?今の安久谷の顔」


「ウケる。おはようじゃねーし。話し掛けんなっての」




キャハハハッと笑いながら手を叩く、女子社員。



毎度の事だが私を無視する度に顔を見合わせて吹き出してる。



嫌がらせをしている時の彼女達は凄く楽しそう。


きっと悪に制裁でも加えているつもりなんだろう。


ヒロインの味方をしている私達は正義!悪を滅ぼす私達は正義!と思ってそう。




随分、間抜けなヒーローだ。


バカもん貴様らそれでも本当に正義のヒーローか!ベルトを置け、変身ポーズの練習をするところからやり直して来い!とキレた部長みたいに全員並べて説教したい。



自分は揉めた件に全く関係ない第三者なのによくやる。



詳しい事情も知らない無関係な自分がしゃしゃり出て、一方的な嫌がらせを私に与えてるだけの状態なのに関わらず、それが間違ってる事だとは露も思ってない。

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