第19話

嫌いなわけじゃないなら良かった。


やっぱり渡すなら好きな物がいい。


貰った瞬間に幸せ2倍だ。



しかし、なんでって聞かれても…。


ちょっと困る。



だって自分が好きな物を自分の好きなタイミングであげてるだけだし。


強いて言うなら貰って美味しかった物を別の日に返してるだけ。


だから、欲しいと思ったタイミングでくれるって、そんなの…。



偶々たまたまでしょ」



偶然だ。


欲しいと思ってるのが分かってて渡してる訳じゃない。


現に今だってそうだった。




「偶々にしては正確過ぎない?思い浮かべたメーカーまで当ててくるし」


「そんなの単に好みが似てるだけじゃない?伊那君から貰ってハマった物も多いし」


「えー、でも、昨日買って来てくれた抹茶フラペチーノのなんて安久谷さんの好みじゃないじゃん」


「あれは伊那君がたまに飲んでるからよ」


「本当に本当?頭の中、覗いてない?」


「覗けるわけないでしょ」

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