第15話

「後は僕と安久谷さんでやっときますよ」


「いいのか?」


「はい。今日は特に予定も無いですし。どうせ帰ったって暇するだけなんで」


「そうか。なら頼む。安久谷さんも、それが終わったら帰っていいから」


「はい。ありがとうございます」




「お疲れ様でした」と部長へ頭を下げると、部長は「お疲れ様」と手をヒラヒラと振ってご機嫌な顔で帰っていった。


他の社員もいつの間にか帰ったらしい。


当事者である筈の萌の姿も無い。


残ってるのは私と伊那君だけだ。

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