第5話

入社して数年。


いや、生まれて25年。


私っていつもこうだ。



冷めた目付き、気が強そうな眉、清ましたように尖った鼻、怒ってる相手が『ふざけるな。馬鹿にしてるのか!』と更に怒り出すくらい上がった口角。



化粧をしてもしなくても反応は同じ。


漫画から飛び出てきたような悪役面。



第一印象は大体『性格が悪そう。意地が悪そう。根性曲がってそう』の3拍子。



生意気だとか偉そうだとか小馬鹿にしてるだとか、キレられた経験は数え切れず。


おまけに口数が少ない上に言葉足らずで言い返すのが下手。


そんな見た目や性格が災いして、私、安久谷桑子は気付いたらいつも悪役のポジションに就かされている。

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