第6話
損な人生だと自分でも思う。
どれだけ気を付けてたって悪印象を持たれ、些細な行動1つで誤解を招く。
他の子がやった間違いは失敗で私がやった間違いは悪意。
“あの子はいいけど、あの子はダメ”のダメな子の方。
全く同じことをやったとしてもだ。
許す許さないの差が出る。
評価が厳しい。
揉め事を起こさないように、人を傷付けないように、バカみたいに考えながら行動しても何か1つ間違いがあると全て私が悪くなる。
もっと気遣え、もっと人の気持ちを汲め、もっと考えて発言しろ、もっと優しくしろ、と責めたてる。
私が尽くすのが当たり前、私が気を使うのが当たり前、私が我慢するのが当たり前、私が許すのが当たり前、と求められる。
自分がその1000倍くらい失礼で愚鈍なことを私にやってたとしても、そんなの無視して平気な顔でお前が悪い、お前だけが悪いと責めたてる。
おまけに怒ると『私は弱いの。だから桑子が許さなきゃ。我慢して謝ってよ』と謎な上から目線で謝罪まで求められる。
周りもそうだ。
許さないお前が悪い。我慢してあげろ。謝れ。と、まるで私には感情が無いように、相手には全く非が無いように捲し立てる。
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