第3話

「安久谷さん。事実かね?」


「事実と言うか…。確かにシュレッダーの方を指差しましたけど…」


「またか!君はいつもいつも。必要なのを知ってたくせになんだ!?後輩イビリでもしてるつもりか!」



“指したけど、ちゃんと部長のデスクの上に置くように伝えた”と事実を述べる猶予も貰えず、怒り心頭な顔でギャーギャー怒鳴られ、口を閉じる。



否定したいが勢いが凄まじくて言い返せない。


次から次へと降り注ぐ罵倒の嵐が白い閃光を放って落ちる雷かのよう。



こりゃ無理だ。


真夏に吹き荒れる台風並み。


風速60mはある。


体が吹き飛ばされそう。

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