第2話

「本当に安久谷さんが?」


「そうです。私が書類整理をしてたら安久谷さんが来て、青色の資料をファイルから出すように言ってきたんです」


「それで?」


「出した資料をどうすればいいのか聞いたらシュレッダーの方を指差されたんで~」


「指示された通りシュレッダーに掛けたのか」


「はい。まさか明日持っていく予定の資料だったとは思わなくって~」



ご立腹な様子の部長にペラペラと事の経緯けいいらしきことを説明している萌の顔をポカーンとした顔で見る。



え、何?青色の資料?


さっき萌が整理してた書類のこと?



それなら確かに、使用済みの書類と一緒にファイルの中に入れようとしてたから止めた。


『明日使う資料だから』って。



それにシュレッダーの方も指差した。


けど、それはシュレッダーの横にある部長のデスクを指差したんだし、その後ちゃんと『部長のデスクの上に置いて欲しい』と伝えたはず。


萌だって『分かりました~』って言ってたじゃない。

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